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無料のおもしろネタ画像『デコじろう』用アイコン02 十代最後の夏に...   

文学部人 文社会学科フランス言語文学文化専攻 3年 野口 真菜美



二〇〇八年、夏。それは私の十代最後の夏だった。蝉がジージー鳴く中、私は赤いTシャツにオーバーオールという、まるで虫取りをしそうな格好で多摩を歩いていた。「多摩まるかじり隊」としてレポーターを務めることになったからだ。今思えば、こんなにオーバーオールを着た夏は一生でこの夏だけだと思う。

子どもの頃、カメラの前に出ることが大好きで、決めポーズをしたり踊ったり歌ったり、いつも出しゃばっていた。四つ下の妹が生まれた時も、主役は妹なのに私の方がビデオに映っていた、と笑いながら両親が話していたのを覚えている。

そんな出しゃばりの私でも、今回のレポートは不安の方が大きかった。私がレポートするのは、稲城市で作られる梨「稲城」。この「稲城」は収穫時期がとても短く、『幻の梨』とさえ呼ばれている。そのため、撮影ができるチャンスも1回だけ。カメラの前では明るく笑顔で振る舞い、梨を食べてコメントを言うのが私の役目である。何度もディレクターと話し合い、シミュレーションを行った。また、自然な雰囲気や和やかさを番組に出せるよう、梨園のご主人とコミュニケーションをとることを徹底した。

しかし、実際にカメラの前に立つと、思っていた以上にレポートは難しく、極度の緊張で言葉が出てこなかったり臨機応変に動けないなど、反省がとても多く残った。あんなに貴重で他の梨と大きさも甘さも違う「稲城」を食べても、出てくる言葉は「おいしい」だけ。けれど、反省が多かった分、レポーターとして成長できたことや、番組を作る上で学んだことがあったと思う。

ディレクターは伝えたいことを映像にして見ている人に伝える。ではレポーターは?ディレクターが映像にするために必要な要素だ。レポーターの一言一言、振る舞いがとても大切になる。ディレクターの思いとご主人の思い、レポーターはその二つの思いを視聴者に伝えなければいけない。自らが現場に行き、話を聞き、体験し、興味を持ち、そこで得た感動を伝える義務がある。今回、「多摩まるかじり隊」としてレポーターを務めることができ、広い視野で番組制作を考えることができた。これは貴重な体験であり、十代最後の夏の大切な思い出となった。

蝉の鳴き声とともにやってくる夏に出会う度、私はこの夏を思い出すだろう。
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by tamatanweb | 2009-05-01 00:00 | 制作日誌