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無料のおもしろネタ画像『デコじろう』用アイコン02 私と昭島の子どもたち   

総合政策学部 3年 小原美穂

2009年3月25日。中央大学の多摩キャンパスで卒業式が行われたこの日、私は大学に向かう前に、東京都昭島市へ向かった。FLP松野良一ゼミのプロジェクトである「昭島子ども放送局」に参加したつつじヶ丘南小学校の子どもたちが、同じ日に小学校を卒業する。この「昭島子ども放送局」で、私はプロデューサーという立場でプロジェクト全体の運営を行った。プロジェクトの初日、ものすごく緊張しながら歩いた小学校への道のりを、この日再び歩くと、当時の思い出が次々と思い出された。

私と小学生が初めて会ったのは、2008年、11月8日。子ども放送局では、11月に毎年、昭島市内で2日間かけて行われる産業祭りを小学生たちが取材し、VTRを制作している。私たち大学生がそのサポートをする。1日目に事前取材を行い、2日目に実際にカメラを回し、お祭りの様子をリポートする。今回も12人の小学生が参加した。どの子たちも初めは緊張している様子だったが、班の中の話し合いが進むにつれて、だんだんと笑顔が見られるようになってきた。ただ1人、女の子のAちゃんは作業がどんどん進んでも、なんだか浮かない顔でいる。その子のことが気になってしまい、時間を見つけてはAちゃんの班へ行ってみた。撮影が進むにつれ、何回もリポートを続けていくうちに、彼女にもだんだんと自然な笑顔が出てきた。でも、みんなで休憩している時、なかなかみんなの輪に入れず、一人だけ離れて座っている。「Aちゃんは、子ども放送局をやってみて、何か変わることができたのだろうか・・・」。お祭り会場からの帰り道、Aちゃんと2人で歩きながら、ふと考えてしまった。

3日目、小学校で編集、上映会を行った。上映会では、自分たちのリポートが大きなスクリーンに映し出され、たくさんの人が見て笑い、そして拍手をする。舞台挨拶するときも、最初にあった時より何倍も、子どもたちは堂々と話している。事前取材から撮影、編集、そして発表会までを自分たちの手で行うことで、自信がついたのかもしれない。たった3日間の経験で、ここまで子どもたちに変化が見られるとは思っていなかった。自分がこのプロジェクトで、子どもたちに何かを残せたのかもしれない。そう思い、嬉しい気持ちでいっぱいになった。

上映会も終わり、子どもたちを校門前まで見送る。しばらく子どもたちと会えなくなると思うと、少し寂しい気持ちになり、いつもより遠くまで見送りに行った。子どもたちと別れ、私は小学校まで戻ろうとすると、1人だけ私についてくる。Aちゃんだ。どうかしたのかと聞くと、「本当は私だけはみんなと逆方向なんだ。でも、今日はみんなと一緒に帰ろうかなって思って・・・」とAちゃん。少し遠回りになるけどみんなと一緒に帰るなんて、本当に些細な変化なのかもしれない。けれど、Aちゃんがもし子ども放送局を経験しなかったら、そこまで積極的になれなかったかもしれない。同級生といっしょに帰っていくAちゃんの後姿をみながら、私は子ども放送局をやって本当に良かったと思った。

プロジェクトを振り返ってみると、私自身、プロデューサーとしてもっとこうしておけば良かったと思う点がたくさんある。もしかしたら、自分ではなく他の人が代わりを務めた方が、もっとうまくいったかもしれない。そんな事を考えているうちに、あっという間に卒業式が行われる小学校に着いた。久しぶりに会う子どもたちは、前よりも何倍も大人っぽくなっている。子どもたちが撮影したVTRのDVDを、1人1人に「おめでとう」と言いながら渡していく。最後にAちゃんの番になった。DVDを手渡すと、「子ども放送局、楽しかったよ」。思いがけないAちゃんの言葉に、胸がいっぱいになって、返す言葉がみつからなかった。この子ども放送局を通して、私自身の方こそ何倍も成長させてもらったような気がする。

私たちは子どもたちに別れを告げて帰路に着いた。歩き始めてしばらくして振り返ると、遠くに、ずっと手を振り続ける子どもたちの姿があった。今回、プロデューサーとして子ども放送局を運営することができて、そして、この子たちに出会えて本当によかった・・・。私は、強くそう思いながら、またゆっくりと歩き始めた。
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by tamatanweb | 2009-11-01 00:00 | 昭島子ども放送局