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無料のおもしろネタ画像『デコじろう』用アイコン02 子どもたちにもらった言葉 ―「清瀬子ども放送局」で分かったこと―   

商学部商業貿易学科2年 半谷菜摘

小中学生と大学生がサッカーの試合をする。当然、大学生が勝つと思われるのだが、現実はそう簡単には勝てない。何と言っても、大学生は運動不足で、体がなまっているからだ。この子どもたちと大学生のサッカー試合を映像で記録しCATV放送用の番組と制作してみようという企画が三年前から始まった。そして、前回・前々回と、大学生チームが惨敗した。三回目となる二〇一一年は、大学生たちは「リベンジだ!」と燃えていた。

そして、二〇一一年五月十五日、清瀬市の清瀬内山運動公園で、三回目の試合が実現した。相手は、清瀬市ジュニアリーダーズクラブ(清瀬JLC)の小・中学生たち。対するのは、中央大学FLP松野良一ゼミの大学生。試合のリポート、撮影は、大学生のサポートの下、清瀬市の小中学生が担当した。プロジェクト名を「清瀬子ども放送局」と名付けた。私は、その番組制作のディレクターを担当した。

サッカー大会当日。サッカーコートで、私は緊張しながら子どもたちが来るのを待っていた。私はこの日、初めて子ども放送局に参加する。その上、ディレクターとして、子どもたちをしっかりとサポートしなければならない。子どもと上手くコミュニケーションが取れるだろうか―。私はとても不安だった。

清瀬JLCの子どもたちが到着した。「今日はよろしくね」と、子どもたちに私が声をかけると、子どもたちは「今回の試合も絶対に負けないよ」と返してくれた。子どもたちの元気いっぱいな姿を見て、私の不安が少しほぐれた。

最初に、インタビューの練習をした。リポーターは、男の子と女の子が一人ずつだ。「普段関わることのない大学生にインタビューするのは緊張する」と、子どもたちは不安を漏らした。「練習をすれば大丈夫だよ」と、私は声をかけ、子どもたちと何度もリポートの練習を行った。

そして、早速大学生チームにインタビューした。しかし、撮影は上手くいかない。リハーサルでは、ハキハキと話していたのに、カメラが回った瞬間、二人とも表情が固く、言葉も途中で詰まってしまったのだ。リポーターの二人が緊張しているのが見て取れた。二人はしっかりリポート出来るはずだ、もっと実力を発揮させてあげたい。リポートの様子を見て、そんな気持ちが湧いた。その後、子どもたちの緊張をほぐすことに努めた。空き時間、私はリポーターの子どもたちに積極的に話しかけた。話をしているうちに、次第に子どもたちとの心の距離が縮まっていったような気がした。

そして、再び撮影を行った。前のより表情が柔らかくなった。そして、「話しているような感じでインタビューすればいいんだよ」とアドバイスした。子どもたちは、両チームの選手たちに、笑顔いっぱいでインタビューすることが出来るようになっていた。そして、サッカー大会の終盤には、ただ相手に質問するだけでなく、返ってきた答えに「そうなんですか」と、受け答えもできるようになっていた。最初は、上手くリポートができなかったのに、たった数時間で子ども達が成長したことに、私は大変驚いた。

三試合を行って一勝一敗一引き分け。このため、PK戦まで行った。しかし結果は、六対三でまたしても大学生の完敗だった。子どもたちは、やっぱり強かった。 

撮影が終わってから私は約三か月間、編集作業を行った。編集しながら私は改めて、リポーター二人の成長ぶりに驚いた。撮影している時は気がつかなかったものの、緊張がほぐれてからの二人は、最初に比べて、ハキハキと喋るようになっていたのだ。きちんと相手の目を見ながら、笑顔でインタビューができていた。また、面白いアドリブを入れるなど、この一日でリポートがとても上手になっていた。編集を終え、改めて私は、子どもたちの成長を実感することが出来た。

撮影をスムーズに終えたいとしか、私は最初考えていなかった。しかし、子ども放送局は、子どもたちのリポートで成り立っている。子どもたちが楽しまなければ、面白い子ども放送局は出来ないのだ。だから、子どもたちが笑顔でリポートできるよう、緊張をほぐしたり、休憩を取ったりしてあげる。こういった子どもたちをサポートすることが、ディレクターにとって何よりも大切なことだと分かった。子ども放送局とは、私たち大学生も子どもたちと楽しんで、番組を作るものなのだ。今回ディレクターを務め、私はそう感じた。

サッカーの試合後に、子どもたちが私に、こう感想を話したことを思い出した。

「今回サッカー大会をリポートできて、本当に楽しかったです」

子どもたちは、緊張しながらもインタビューや試合のリポートを一生懸命頑張っていた。きっと朝から夕方まで気を張っていたのだろう。本当はすごく疲れていたに違いない。しかし、そんな疲れを一切見せず、私に笑顔で言った、何気ないこの一言。この言葉は、私にとって何にも変えがたいものになった。
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by tamatanweb | 2012-02-01 00:00 | 清瀬子ども放送局

無料のおもしろネタ画像『デコじろう』用アイコン02 割り箸から始まった成長 ―高浜の小学生から学んだこと―   

経済学部国際経済学科2年 照井将人

二〇一一年七月二三日、福井県高浜町で「若狭たかはま漁火想(いさりびそう)」が催された。「若狭たかはま漁火想」とは、二〇〇三年から始まった高浜町の夏祭りである。若狭湾に面した浜辺には、地域の名物料理の屋台が立ち並び、夜になるとキャンドルが灯される。湾では水中花火が打ち上げられるなど、幻想的な美しい光景を見ることが出来る。

FLP松野良一ゼミは毎年、大学生が高浜町の小学生たちをサポートしCATV用の番組を制作するプロジェクト「若狭高浜子ども放送局」を行っている。今回私は、小学生と一緒に「若狭たかはま漁火想」の様子を伝える番組を制作した。番組制作に携わったのは、小学四年生の男の子二人、女の子三人の五人。皆、初めて子ども放送局に参加する子どもたちばかりであった。

祭り当日、私たち大学生は「子ども放送局」に参加する小学生と初めて顔合わせをした。初対面にも関わらず、子どもたちは元気いっぱいに自己紹介をしてくれた。私たちとも、すぐに打ち解けることが出来た。明るくて元気いっぱいのこの子達がリポーターになるのだから、絶対に面白い番組が作れる―。私はそう思った。

自己紹介を終えると、私たちは早速、祭りに遊びに来ているお客さんへのインタビューを撮影した。子ども達は、ハキハキとした口調で、笑顔でリポートをこなした。とても初挑戦とは思えないほど、リポートは上手で、私はとても驚いた。

しかし、リポーター役の男の子の一人が、インタビューをする時に、マイクをなかなかうまく使うことが出来なかった。相手が喋っている時に、マイクを相手の口に向けることが出来ないため、マイクが音を拾えていなかったのだ。撮影の合間に、マイクを相手にしっかりと向けるよう、私は彼にアドバイスをした。男の子は、うまく出来なかったのが悔しかったのか、少し不満げな様子だった。その後、何度撮り直しても、その点が改善されることはなかった。男の子自身も、やりきれないような、沈んだ表情を浮かべていた。不安を残したまま、午前の撮影が終了した。

昼休みになっても、男の子はずっと落ち込んだ様子だった。どうしたら、上手にマイクを使い、インタビュー出来るのだろうか―。そう思った私は、昼食を食べながら、男の子と練習を始めた。弁当の割り箸をマイクに見立てて、私が相手役になり、タイミング良く相手にマイクを向ける。このような練習を何度も繰り返した。「上手くなっているよ、その調子!」と、私は何度も声をかけた。落ち込んだ様子を見せていた男の子も、次第に元気を取り戻し、練習に打ち込んだ。

そして、午後の撮影が再開された。しかし、彼のリポートはあまりよくならなかった。緊張のせいなのか、相手が喋っていても、マイクを自分の口元から離そうとしない。「昼休みの練習を思い出して、ゆっくりで良いからやってみよう!」と、彼が気を落とさぬよう、私は何度も声をかけた。すると、彼が行ったリポートは、午前の撮影に比べて少し話すテンポが遅くなってしまったが、しっかりと相手にマイクを向けることが出来るようになったのだ。撮影を終え、私は男の子のもとに駆け寄った。「出来たじゃん!」と、私が声をかけると、「出来たのかなあ」と、男の子は返した。私が褒めても、男の子はあまりしっくりこない表情だった。そこで、私は彼に、撮影した映像を見せた。すると、「本当だ!午前中と全然違う!」と、彼は目を輝かせながら、嬉しそうに画面を眺めていた。彼自身、しっかりと自分の成長を感じることが出来たようだった。そんな彼を見て、私自身も達成感を覚えた。

撮影の翌日、制作した番組の上映会が開かれた。リポーターを務めた子どもたちが楽しそうに上映を待っている中、男の子だけは不安な面持ちを見せていた。どんな風に自分が映るのか、不安だったのだろう。しかし、VTRが始まると、その表情は一変した。彼がインタビューしているシーンが流れると、会場にいるお客さん達が皆、一斉に笑ってくれたのだ。それは、彼がインタビュー相手と軽妙なやり取りを行う、とても楽しいシーンだった。そして、観客の笑い声が会場に響き渡る中で、誰よりも嬉しそうに画面を見つめていたのは、彼自身だった。そんな姿を見て、私の目からは思わず涙がこぼれた。マイクを上手く向けられず落ち込んだり、割り箸を使って何度も練習したり...。短い期間ではあったが、男の子と一緒に、私も困難に直面した。しかし、その後の彼の成長ぶりを思い返すと、本当にこのプロジェクトに携わることができて幸せだと思った。うまくいかないことがあっても、落ち着いてやれば、必ず最後には出来るようになる。今回の子ども放送局を通じて、そんな大切なことを、私も男の子と共に学んだ。上映会が終わると、男の子は、すぐさま私のところに駆け寄り、「楽しかったよ!」と声をかけてくれた。私が高浜を去る時も、彼は笑顔を絶やさなかった。

番組の最後に、リポートしていた子どもたちが感想を語る場面がある。そこで、男の子はこう語っている。

「また子ども放送局をやりたいです。次はもっと、上手にリポートできるようになりたいです」。

彼の言葉を胸に刻み、私はまた、次の子ども放送局に挑戦したいと思う。
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by tamatanweb | 2012-02-01 00:00 | 高浜子ども放送局