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無料のおもしろネタ画像『デコじろう』用アイコン02 たくさんの「猫の手」に助けられて   

法学部法律学科三年 本庄真衣

 みなさんは、多摩地域に「猫にまつわる神社」が三社(青梅市に二社、立川市に一社)あることをご存じだろうか。私は今回、私たちFLP松野ゼミの学生が制作する番組「多摩探検隊」で、猫神社を取り上げた番組のディレクターを務めた。

 私が多摩地域の「猫にまつわる神社」と出会ったのは、インターネットで神社を調べていた時だった。私は高校生の時から神社で巫女さんのアルバイトをしており、神社については以前から興味があった。三社の猫神社について調べを進めていくうちに、立川市砂川町にある阿豆佐味天(あずさみてん)神社に特に強い関心を持った。

 阿豆佐味天神社が「猫返し神社」として有名になったのは、今から約三〇年前。世界的に有名なジャズピアニスト・山下洋輔さんの愛猫が行方不明となり、捜索中に偶然通りかかった神社に参拝したら翌日猫が無事に戻ってきた、という話をエッセイに書いたところ全国的に広まり、「猫返し神社」として有名になった。

 神社の宮司さんはもちろん、「猫返し神社」と呼ばれるきっかけとなった山下さんのインタビュー映像も番組に入れたいと私は考えた。そこでさっそく、山下さんの事務所に電話をかけた。三月末、気候も暖かくなってきた頃なのに、電話を持つ私の手は震えていた。山下さんが取材を受けてくれるか、不安で仕方なかったからだ。山下さんは日本を代表するジャズピアニスト。国内外問わず活躍されているお忙しい方が、一学生の取材を受けてくれるのだろうか。取材をお願いしても、絶対断られると思っていた。

 しかし、そんなことは杞憂だった。事務所に電話をかけた数時間後、山下さんのマネージャーさんからメールが来た。「先ほどお電話いただいた山下洋輔へのインタビュー、四月五日(土)に晴海の第一生命ホールの楽屋でお引き受けします」。思わずパソコンの画面に向かって叫んでしまうくらい、私は本当に嬉しかった。取材に行く前はドキドキで、たった十五分の取材中も、緊張と不安で頭が真っ白になった。

 山下さんへの取材は無事終わり、今度は阿豆佐味天神社の宮司さんに取材をした。宮司さんのお話から、阿豆佐味天神社はもともと猫と直接関係のある神社ではなかったことが分かった。時代や人々の願いとともに神社の姿も変わっていく。しかし、時代が変わっても人々にとって神社が「心のよりどころ」であることは変わらない、ということを実感した一日だった。

 番組は無事完成し、九月と一〇月の二か月間にわたって放送された。昨年末には神社の宮司さんや山下さんに、お礼の挨拶も兼ねてDVDを届けに行った。多摩探検隊について「知り合いの方から『番組見たよ』という声がありました」、「境内の猫の像について、問い合わせが何件かありました」など、番組への反響をお聞きすることができた。

 今回、私が最後まで番組制作をやり遂げることができたのは、神社の宮司さんや山下さん、山下さんのマネージャーさん、先生やゼミ生の協力があったおかげだ。番組を作るため私に力を貸し、かけがえのない思い出をくれたたくさんの「猫の手」に感謝したい。



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by tamatanweb | 2015-04-01 00:00

無料のおもしろネタ画像『デコじろう』用アイコン02 数十秒に詰まった二日間   

経済学部経済情報システム学科二年 松原美也

 神奈川県川崎市多摩区。ここに、「おさかなポスト」と呼ばれる施設がある。おさかなポストとは、飼えなくなった魚を無償で引き取り新しい里親に渡す、「命のリレー」を行う施設である。私は今回、多摩探検隊のディレクターとしてこの施設に関わり、約八ヶ月間に渡って一本のドキュメンタリー番組を制作した。

 おさかなポストの存在を知ったのは大学1年時の冬、家の付近を流れる多摩川に興味を持ったのがきっかけだった。実は近年、多摩川では本来存在しない外来種の増加が問題となっている。原因は、ペットとして飼っていた「ピラニア」や「セイルフィンプレコ」といった外来種が人為的に放流されていることだった。インターネットでそんな衝撃的な記事が並ぶ中、目についたワードが「おさかなポスト」であった。おさかなポストは飼えなくなった魚を引き取ることで、多摩川に外来種が放流されるのを防ごうとしているのだ。

 私はこの施設についてもっと詳しく知りたいと思い、おさかなポストの発案者である山崎充哲さんにお電話した。山崎さんは約十年間、おさかなポストをボランティアスタッフとともに運営している。お話を聞くと、おさかなポストにはほぼ毎日魚が入れられていることや、年間一万匹もの魚が預けられていることが分かった。そこで、おさかなポストに魚を持ってくる人がどんな思いでやってくるのか、調査してみることにした。

 ところがこの調査は、そう簡単には行かなかった。なぜなら、おさかなポストにやってくる人に事前のアポを取ることができないからだ。そのため私たちは朝から夕方まで、取材対象者が現れるのを待つことにした。午前九時、JR南武線稲田堤駅に集合し、おさかなポストへと向かった。しかし、魚を持った人はなかなか現れない。日が落ちてきて閉門間際になったとき、ようやく一人の男性がバケツを持ってやってきた。焦っていた私は急いで詰め寄り、愛想良く話しかけた。ところが、「魚を捨てることに罪悪感があるから取材はやめてほしい」と断られてしまった。このとき私は「失敗した」と思った。この男性は、魚を飼育できなくなって止むを得ずここへ来ている。その気持ちを汲み取らず、へらへら笑いながら取材を依頼していたのだ。私は自分の未熟さを恥じた。二日目、重い足取りでおさかなポストへ赴いた。すると今度は到着してすぐに金魚を二匹連れた家族がやってきた。今回を逃したら、もう次はない。前日の失敗を噛み締めながら、相手の事情を真剣に伺った。すると、顔を出さないという条件で許可していただいた。一度取材を断られていただけに、喜びもひとしおだった。取材後、しばらくしておさかなポストを整備しに山崎さんがやってきた。山崎さんは私たちに「魚を持ってきた人に話聞けた?」と聞いた。私が自信を持って「はい!」と答えると、「おお、それはよかったね」と微笑んでくださった。何気ない会話だったがとても嬉しく、自信に繋がった。この二日間でおさかなポストにいた時間は合計十四時間。その中で番組に収録されている部分はほんの数十秒だ。それでもこの数十秒に詰まった二日間は、私の大きな財産となった。



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by tamatanweb | 2015-04-01 00:00